2013年6月1日土曜日

太宰治『人間失格』を読んだ


太宰治の“あの”人間失格を読んだ。

Google bookの無料図書で目に付いたので、読んでみた。

「読んでみた」と言っておいて、すぐに否定するのも恐縮だが、

読み進めるうちに、以前にも読んでいたことに気付いたので、

正確には「読み返した」が正しい。

思い出してみると、実は中学生の頃にこの辺りの本を読み漁っていたのだ。

そして、当時は単にストーリーだけを追っていて、太宰が何を伝えたかったのかを、

まるで想像もしていなかったことに気付いた。

まぁでも恐らくは、想像しても当時の自分にはまるっきり

分からなかっただろう。

今回感じたことは、自分はこの主人公と類似の心の闇を持っているし、

また数多の人達も同様に持っているだろう。ということ。

人として生まれて、社会で暮らすすべての人が、多かれ少なかれ

思い感じていることを、主人公をつかって代弁している。

そしてまた、この主人公を取り巻く登場人物をして、

私たちの日常に於ける矛盾と、その矛盾に対する黙殺。

又は、心による否定を表しているんだ。

そんな感想を持った。

この主人公に降りかかった災難は、それほど特殊なことではなく、

ある環境と条件の一致によって、誰にでも起こることであり、

誰でもそこへ落ちてゆける心の素質を持っているんだと思った。

2013年5月22日水曜日

映画「しゃべれども しゃべれども」を観た

NHK BSで放映された映画「しゃべれども しゃべれども」を観た。

国分君が主役であることとは関係なく、予告編の雰囲気からチャンスがあればみたいと思っていた 作品。

見終わった感想は、

「伊東四朗、国分君の落語が上手かったな」
「香里奈かわいいな」
というもの。

ネットの映画評を辛口期待で読んでみたけど、

意外に高評価が多い。

普段あまりネガティブな印象を持たないのだけど、

この映画は面白くなかった。

東京下町の風景と荒川線を記録する意義や

香里奈のようなかわいい子が町のクリーニングやで

普通のコンプレックスを持った女の子として描かれていた

という点でちょっと貴重だな。と思ったけど。

肝心のストーリーがとてもつまらなかったんです。

もしかしたら、自分が持っていたこの映画に対するイメージが

かけ離れていたからかもしれない。

もっと若手落語会(国分君)を中心に据えたストーリーを 期待していたんだよなぁ。